昨日の、デリカトラックの日記で
"エンジンオイルがガソリンで希釈されて"と書きましたけれど
これは、エンジンオイルが溶け込んでくるガソリンによって粘度が下がり
場合によっては、オイルが増える事すらあると言う現象なのです・・・
そもそも、そんな事が何故起こるのかといいますと
順番に書かせていただきますが、長文で失礼いたします
まず下の写真が、一般的なガソリンエンジンの簡単な作動&構造で
シリンダーと呼ばれる円筒の中をピストンが上下する事で、ロッドを介し
その下にあるクランクシャフトと言う軸に、回転と言う形で力が伝わります
ここで力の元になるのが、皆様がスタンドで入れる"ガソリン"でして
図で言うと、1枚目の吸気バルブから入るのが、エアークリーナーで汚れを
取り除いた空気と、キャブレターや電子制御燃料噴射で霧状になって
その空気と混ざったガソリンで、「混合気」と呼ばれています
その後2枚目の絵で、ピストンが上がってくるときには
吸気と排気、両方のバルブが閉じている為、に混合気は爆発行程の前に
約1/10までに圧縮される為、点火⇒爆発した時には一気に膨張して
ものすごい力でピストンを下に押し下げますが、これが車の馬力の元です
例えますと、火薬なども同じで
そのままではただ燃えるだけですが、紙などで巻いて密閉すると
爆竹・・・果てはダイナマイトに至るように、爆発力を増すのと同じ原理です
そんな事で、この"圧縮"と言う部分に注目します
エンジンは基本金属製ですので、内部で爆発が起きていることで
当然熱を持ちますから、これを冷却水で一定の温度に保つのですが
熱を持った金属は膨張をします、実は決められた一定温度で使われる事で
エンジンは設計時膨張率で、シリンダーとピストンが最適隙間となり
ピストンとシリンダーのスムーズな上下運動を可能にしているんです。
では・・・エンジンが常に冷えた状態で使われたらどうなるでしょう!?
膨張していないピストンやシリンダーは、本来より小さい事になりますね
その場合には、ピストンとシリンダー壁の隙間がまだ広い状態になります
元々エンジンというのは、冷えている時程スムーズに回転する為には
通常より濃い燃料を必要としますので、吸気される空気中のガソリンも
暖まってからの混合気より、相当濃い状態のものが入って来ています。
この冷えた状態、エンジンをかけてすぐ数キロの距離を走って
エンジンを止め、又同じ距離を帰るだけが常だとしたら・・・
その濃い混合気は圧縮の行程で、いつもより広いシリンダーの隙間を抜け
霧状とは言え、日々下に吹き抜けて行っているのです
当然その下には、オイルパンに入ったエンジンオイルがありますから
そのガソリンがオイルに溶け込み、オイル粘度を下げる・・・これが希釈です
オイルは適切な粘度があればこそ、各部の磨耗を抑えてくれますが
冷えて隙間の広いシリンダーを、ガソリンが混じったオイルで潤滑では
各部の磨耗は増すばかりでして、症状も悪化の一途を辿るだけですよね
過去、状態がひどい車では(ス〇ルサンバーのスーパーチャージャー車)
エンジンオイルの交換時に、オイル量が1.5倍に増えていた事もあります
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